自称詩人

詩を書いています。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴミの蹴る土

この世のゴミ 低く低く 遠く 志を ゴミなりに 街を歩く 道なりに 土に 重く 足跡は 簡単に 古くなる 低く低く 大げさに 私は 土を 蹴っている

名前

跡形なく 雨に 流してしまえば いい 苦しむこと 私が 現実から 消える もしも 名前を 呼んでくれたなら 苦しむこと 私が 現実に 帰る

まみむめも

豆粒みたいに 見つかってしまった むず痒い 目眩の中で 戻らない時間

はひふへほ

羽ばたくように 火に背き 震える指を 部屋から外に 葬り去る

隠した野性で 生き延びろ

心まで 飼われないで 自分の餌は 自分で探せ 言葉のくぼみまで 管理させないで 煮えた思いを 邪魔させるな 隠した野性で 生き延びろ

なにぬねの

生温かい 悲しみは難問 苦い あくびを そのままに 沼の中から 這い出して 猫背で ジグゾーパズルを のらりくらりと 始める

運命に翻弄なんてやめちまえ

運命に翻弄なんて やめちまえ 言葉は 魂の革命 真昼の星 コンクリートの 下の土 雨雲の上の 太陽 ここから見えない 流星群 運命に翻弄なんて やめちまえ 降り注ぐ革命が 私を照らす

たくさん食べたい

存在の否定 たんと食べろ 私は欲しがる胃袋だ 存在の肯定 たんと詰めろ それこそが 尊厳だ 胃袋に 挨拶せよ

たちつてと

絶えず 降り注ぐ 痛みよ 小さき棘の 主張 翼が 折れて 照らす 日の光 止まれ 私の胸に

さしすせそ

寂しくて 何も 見えないから 静かに 1人で 待っている 涼しげに 微笑む せわしない まばたきで そこにいろよと 教えてほしい

私は線路を歩かない

私は線路を歩かない 汽車に乗る 私は山には登らない 海に潜る 私は空を仰がない 泥を見る 私は涙を落とさない 目を瞑る 私は言葉を紡がない 宙に捨てる 私は汽車に乗り 海に潜り 泥を見て 目を瞑り 己を宙に捨てる あてのない 果てのない旅

かきくけこ

必ずやってくるんだよ 気難しがり屋の君の 苦しみの末に 気高くつたう涙 こわばる微笑みの果てに

あいうえお

熱い魂 置いていけ いつも見限る お前のくせに 後ろ向きな 根性が えもいわれぬ 正直者の 落とす涙は乾かない