自称詩人

詩を書いています。

冬を待ちながら

大人になれない 私が 歩いて行く 道は 

いつになったら この町を

超えられるのだろうと 呟いている

猫に 懐かれたいという 夢は

とっくに 破れているんだ 諦めよう

誰かを 求める 叫びは 誰にも 届かない

 

心にもないことは 言うものじゃないと

誰も 教えてくれなかったから 私は 何も 話さない

世界の名作を 積読しておくことは

狭い 部屋では 出来やしない

私が 私で あり続けるために

空が 溶けるのを 待ち続ける

 

抱きしめられことが ないから

抱きしめ方が わからない

美意識を 破壊しないと

生きていくことが 出来ない

私が 部屋に 閉じ込められたのは

自意識のせいで 雪のせいではない

 

春が 来ると 憂鬱なのは なぜだろう

夏に 浮かれられないのは なぜだろう

秋に 落ち込むのは なぜだろう

冬が 来ると ときめくのは なぜだろう

 

私は 耳を 塞がず 魂を 焦がす

何てね

私は 季節を 聴き始める

闇の価値 光の価値

置いてけぼり 闇の底辺

明け方の夢 光の上辺

泣かないで 閉ざされた 空は箱のよう

生まれなければ 敗北する

選択が 喜びに 苦しみが 受容に

磨いた靴 コンクリート 追いかけて

分からないね 急がないね 知らないね

闇の価値 光の価値

夢の欠片 蹴飛ばしたら この手に入る

そっと 目の奥で 育っていた

差し伸べられた 闇と光

忘れられない 希望の闇と光